2006/05/30
小説と映画の感想など。
こんばんは、よしたかです。
またまた放置気味ですね。それほど身動きとれぬほど多忙というわけでもなかったのですが、何故か筆が重くなってしまいました。随分時間がたってしまったけれど、本や映画の感想など。
リリー・フランキーさんの著書であまりにも有名になった「東京タワー~オカンとボクと、時々オトン~」を友人Kに薦められて読んでみたところ、これがもう号泣。ハッキリ言えば主人公「マーくん」の言動挙動に共感できることは多くなく、どちらかといえばあまり好きになれない人物なのですが(自ら上京して、東京に住み、東京で働き、東京の人に世話になっているのに、東京の悪口をここぞとばかりに並べ立てるあたりに、かなり違和感を覚えました。)、それを超えて周りの人たちとのふれ合い、母親(オカン)の人柄や主人公の親に対する愛情の深さが心を打ちました。やがて来たるその恐怖の日に備えて、極力後悔を少なくしようと思う心から、親孝行をしたい気持ちが溢れてきたので、母親を連れて久しぶりに映画を観に行きました。渡辺謙主演の「明日の記憶」。これも号泣。
いやーよかったです。謙さん最高。以前兄に「この映画はイマイチ」と聞いてたので期待薄だったのですが、イマイチどころか、かなり良い出来だったと思います。兄曰くは「美しく描きすぎている」とのこと。しかし、映画だからこれくらいで良いのでは、と僕は思います。
脳を侵された人間の行動は、僕も間近で嫌と言うほど見てきたので、兄の言わんとしていることは分かるのですが、だからといって僕は糞尿をマトモに出来なくなった人間のリアルな描写をスクリーンで見たいとは思いません。やや、記憶がなくなっているタイミングが絶妙だったりするシーンもありますが、効果的に演出されていますし、それほど違和感あるものでもありませんでした。
この作品に限らず、兄とは映画の好みが年々大きくズレてきているように思い寂しい限りです。昔は同じモノが好きだったのになぁ。暮らす場所と環境が変わったのが影響しているのかどうか。先日「Limit of love海猿」を絶賛していたので、胸躍らせて観に行ってきたのですが、これがもうトンでもなく(中略)な映画でしたからもう、驚くというか呆れるというか。
そんなわけでリリー・フランキーの「東京タワー」、渡辺謙「明日の記憶」。この二つが僕の今のお気に入りです。どちらも超がつくほどメジャーなので、既にご覧の方も多く今更でアレなんですが、かなりオススメできる作品です。
それにしても、小説、映画でここまで号泣するとは。やはり年齢を重ねれば涙腺が弱くなるという俗説通り、例に漏れず僕もそうなってきたのかなぁと思ったりもしますが、悪くない気分です。