2009/05/11

先日の日記にも告知したのですが、9日、ニッポン放送の「
小倉智昭ラジオサーキット」という番組にゲスト出演してきました。
有楽町駅で降りると徒歩すぐにあるニッポン放送のビル。休日なので正面玄関が閉まっていましたが、担当の方の案内で裏口から入らせていただきました。びっくりするほど綺麗なビル!ガラス張りになっている打ち合わせルームはレンガ張りになっていて、椅子もお洒落。センスがいいオフィスだなぁと思っていると小倉さんの声がフロアに響いてきました。到着したのが13時40分で番組は13時から始まっていたから、まさにオンエア中だったのです。15時あたりからのコーナーで出演することになっていたので、その30分前に来てもらえたら十分ですよ、と聞いていたのですが、早めに足を運んだのです。これが正解でした。ラジオ番組生放送の場って、すごく面白い!スタジオも美しく、ガラス張りになった現場では、小倉さんが秋田弁でしゃべるコーナーをオンエア中でしたが、スタッフの皆さんの笑い声が響き、なんだかあったかい雰囲気なのです。
僕は映画やニュース番組の撮影に参加、立ちあったことがあるのですが、ピリピリした緊張感が全体を包んで、スタッフの怒声が響き、ああ、こういう制作現場ってやっぱりこういう厳しい雰囲気なのだなぁと思いこんでいたのですが、そのイメージが変わりました。
法廷画家として呼ばれていたので、話のネタに鏡ごしに小倉さんや増山アナさんたちを法廷画風に描いていたり、生放送のタブーなどについて軽く打ち合わせしているうちに、時間がやってきました。
「榎本さん入られます~」
とスタッフさんの掛け声とともに開かれるスタジオのドア。「どーもはじめまして~」と皆さんに挨拶して着席。みなさんが気を遣ってくださっているおかげか、はじめて来る場所ではじめて会う人たちを前に、すぐに空気に溶け込めた感じがしました。CMが終わって番組コールが流れると、増山さんが流れるようなアナウンスを開始されました。
「本日のゲストはこちら、イラストレーターで法廷画家の榎本よしたかさんです!1977年和歌山県生まれの32歳。普段はほのぼのした児童向けイラストを手がけるイラストレーター。その傍ら数々の報道番組で使用される法廷画家としても活躍。時には身近な事件から滲み出る人間の弱さを、時には清算な事件から流れ出る人間の醜さを。法廷画を通して社会というキャンバスに人間の真の姿を描き出すべく、筆を走らせ続ける榎本さん・・・。そんな榎本さんに知られざる法廷画家の仕事や、今後私たちの身近なテーマとなっていくであろう「裁判」についてのお話を伺っていきます。」うわーーー!!!な、なんでしょうこのカッコいい紹介文・・・。こういうの放送作家さんが考えるんでしょうか。単に法廷の末席に座って
カリカリ絵描いてるだけの職業をここまで装飾してもらえるなんて・・・。
トークの内容は法廷画家をはじめたキッカケとか、印象に残った事件、一枚の絵にかかる作業時間や使用する道具などが主でしたが、最後に裁判員制度についての意見を求められて、「実際榎本さんが選ばれたらどうしますか?」と小倉さんが問われるので、「是非参加してみたいですね。この制度には賛成なんですよ」と答えたら「へぇー!」と驚かれてました。裁判員制度については、いろいろ思うところがありまして、というよりも法廷に足を運んだり、日々のニュースを見るうちに自分の考えが固まってきているので、これは別の機会にでも、どこかに書いて発表しようかと思います。
最後に「榎本さんにとって法廷画を現す「格言」を一筆添えていただいていいですか?」と聞かれたので、座右の銘であるところの「己の欲せざる所、人に施す事なかれ」という言葉を選びました。
「この言葉を選ばれた理由は?」と聞かれたので、こう答えました。
「これは孔子の言葉で、『自分がされて嫌なことは人にもするな』というシンプルな教えなのですが、僕はこの言葉を座右の銘にしているんです。単純ですが、言うは易し、行うは難しですよね。これができていれば、どこか心の中にこの言葉を持っていれば、少なくとも、法廷画に描かれるようなことにはならないと思っています。」
あれ?なんとなーくキレイにまとまった感じ。小倉さんにも「榎本さん、しゃべるの上手だねぇ」と、ドモリ癖のある僕には意外すぎる言葉をいただき、ご機嫌な気分で収録を終えたのでした。
事前にこのコーナーのエンディングテーマを一曲選んでほしいと言われてまして、尾崎豊の「愛の消えた街」をチョイスしたのですが、これがスタジオに流れる中、小倉さんたちと記念写真を撮っていただきました。
いやー、それにしても想像以上に楽しい収録でした。プロの方のすばらしい仕事を目の当たりにして、とても良い刺激になりましたし、反省するところも多々でした。
アナウンサーの方って、すごくゆっくりお話されるんですね。それがきっと聞き取りやすく心地よいテンポなのでしょう。僕は生来の早口で、きっと一人みっともないトークをしていたと思います。
メディアに出ること自体は僕の本分ではないのですが、こういう機会も増えてきましたし、醜態を晒さないためにも、プロから学ばなければならないことは多いな、と感じました。普段、引きこもって絵ばっかり描いてる人間が、どこでトークの鍛錬をすればいいのか皆目見当もつきませんが、まあ、今後の課題ということで、ちょっと意識していこうと思います。
本日の格言、「
ブタもおだてりゃ木に(以下略)」
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