2009/09/10

カラーボックス以外まともな本棚の無かった東京事務所。
そろそろ本も増えてきたので思い切って本棚を購入したら、これがいい感じに収まって大満足!ああ、もっと早く買えばよかった~。
仕事部屋がすっきり片付いて作業スペースも広くなりました。部屋自体は狭くなったことはさておき。
本棚にはまだ空いてる空間があるので観葉植物なんかおいてみたり、いろいろディスプレイを楽しんでます。中段は斜めに改造してマガジン置き場にしてみました。
仕事用デスクの前面にはコルクボードを配置してpixivなどで見つけて気に入った作品をプリントアウトして貼って居ます。こうすると毎日目にするしいい感じです。イラスト集とかは買ってもそんなに見ないんですけど、こうすると毎日刺激を受けれてよいのですよ。印刷費しかかからずリーズナブルでもありますし。オススメですよ。
毎日ポストに入ってるチラシなんかも、気に入ったのがあるとこのコルクボードに貼っておくと忘れ物防止にもなります。先日、オーガニックシアター井上ひさしシリーズというチラシが入っていて、「父と暮らせば」と「人間合格」という演劇が武蔵野芸能劇場で行われるという情報を知りました。「父と暮らせば」は映画にもなった有名な作品ですね。終戦後の広島で生き残ったことに罪悪感を覚えて恋愛に一歩踏み出せない女性が、原爆で亡くなった父の幽霊と共に過ごすお話で、興味がありました。もうひとつは「人間合格」、太宰生誕100周年を記念して太宰の青春時代を描いた作品との解説文が書かれていて、太宰好きとしては興味を持たざるをえませんでした。9月4~7日だというので楽しみに数ヶ月待ち、先日見に行ってきたのですが、これがもう予想以上に面白かったのです!

200人入るか入らないかの小さな劇場に、人がどんどんあつまってきてついには満席になりました。まず「父と暮らせば」を見たのですが、父役と娘役、たった二人の出演者にもかかわらず奥行きを感じる世界観。ひろがる物語。魅力的な人物像。宣伝文句通りに笑えて泣ける傑作でした。
翌日「人間合格」を見に行くと受付の方が「昨日も来られた方ですよね?」と覚えてくださっていてペア料金にしてくださいました。なんて良心的!(※二人で来るか事前に2回分のチケットを買うと安くなるとのことでした)
これがまた快作。キャラクター一人一人が立っていて見ていて本当に楽しめる2時間半。一気に太宰役の蓮池龍三さんのファンになりました。大げさじゃなしに、一幕降りるごとにジーンと胸に広がる感動を味わえたのです。ラストも実によかった。「ああ、この人たちは太宰をよくわかっているなぁ」と感じれて、すごくうれしかったです。僕の周りには太宰好きが居なくて、人に薦めても「ちょっとこれは・・・」と敬遠されがちだったので、余計にそれが胸に沁み入りました。
今更ですが、演劇っていいですね。
以前みた、劇団四季の「美女と野獣」もよかったのですが、あれはどちらかというと、豪華絢爛さに重きを置かれているようで、「どうだ!こんなに衣装が豪華だぜ!」と見せられて観客も「おお~すばらしい」というような部分がどうしても感じられていたのですが、(いや、もちろん演技もすばらしいのですが)今回見た二つの劇は全編に流れる「素朴さ」の中に人間のすばらしさを描いている、そこに強く惹かれる自分がいました。
また是非見に行きたいと思います。
ともすれば単調になりがちな日常の、思いがけないカンフル剤ともなりうる演劇。久しく見ていないな、という方や縁が無いやと感心薄すげな方にもあえてオススメしてみます。