2013/02/10

2月9日深夜に放送された日本テレビのバラエティー番組「
NexT」に出演しました。
突然テレビ局から電話が来て、
「榎本さん、中国のマインドハッカーと会って見ませんか?」
というから一体何のことかと思いましたが、よくよく聞いてみると番組出演のオファーでした。
マインドハッカーとはなんぞや、と聞き慣れぬ単語について質問したところ
超(がつくほど特殊な)能力者とのこと。
超能力者vs法廷画家という画を撮りたいのだそうです。
そんな機会、
人生に一度あるかないかという話ですので面白そうだと思いオファーを快諾、
詳細を伺わぬまま指定されたスタジオへと向かったのでした。
▲中国では知らぬ人はいないというほど有名らしいマインドハッカー・トニー・ジャン氏。日本で初仕事らしいです。
その電話で中国からやってきた不思議な力をもつマインドハッカー・トニー・ジャン氏と対談する、
とだけ聞いていたのですが、スタジオに着いてからも打ち合わせ無し。
台本すら渡されないのです。
見知らぬ中国人超能力者と会って一体何を話せというのか・・・?と不安でしたが
時間が来てガチ本番の収録が始まりました。

なにやらアンティークなインテリアのセットに案内され、トニー氏と対面。
若い。勝手な想像でしたが、中国の超能力者というから
ヒゲがとんでもなく長い
仙人のような年配の方をイメージしていたので(発想が昭和)、拍子抜けでした。
そして通訳越しにヤリトリするのかと思いきや本人日本語ペラッペラ。
「日本語お上手ですねー」と言うと
「いや~そうでもないんですよ。話してると意外とカタコトだってわかると思いますよw」
と笑顔を返されました。いやいや、
ペラッペラですやん。

「法廷画とはどういう絵を描くんですか?」
みたいなヤリトリをひと通りした後、
「では、今までに会ったことがない人物の絵を、これから想像で描いてもらいます」
といった流れになり、スケッチブックを手にスケッチ開始。
トニー氏はその間横を向いて目をつぶっていました。

(はは~ん、さてはこれから僕が描いた人物の顔を見ないで当てていこうという魂胆だな)
というのはニブい僕にもわかりました。
放送では早送りしているものの、僕が着手して書き終わるまで(体感3分程度)を余すところなく放送。
作画中、僕がまったく資料など見ていないことを証明していました。事実見ていません。

「さて、私の質問にYESかNOかでお応えください。貴方が今書いた人は・・・髪を括っていますか?」
「はい」

「メガネをかけていますね?」
「はい」
といったヤリトリが続きます。
なんでわかるんだ。絶対見えてないはず。
「いや、ちょっとまってくださいよこれ鏡かカメラあるでしょ絶対」
と言いながら振り向いて確認しましたが、部屋の隅っこだったしそれらしきものも見当たらず。
ちなみにそのシーンは
ばっさりカットされてました。
スタッフさん的には「YESかNOかで答えろって言われてるのに疑惑持つとかオイオイ」
といったところでしょうか。

それでは、絵を見せてください、というのでゆっくり見せると、トニー氏曰く、
「不思議ですね・・・この人物は僕の友達にとっても良く似ている・・・」
「僕の友達に会ってみますか?」
と、唐突に言うので
「あ、はい」と返事。

たった今、僕が想像で描いた絵に似た人物・・・???

と不思議に思っていると、奥のフスマがガラっと開き、出てきた人物の顔をみて
思わずこの表情です。

「
うっそお!!えーーー??ちょっと待ってくださいよ・・・!」
あまりにも瓜二つなんですね。僕のスケッチとその人の顔が。

こちらがその比較図。前髪の垂れ方といい、ピアスの位置といい、ホクロの場所といい・・・
ちょっとありえないリンクっぷりです。

トニー氏曰く、
「貴方、自分で想像して描いたといいましたね?実は私が貴方のマインドをハックしたのです。
私が貴方に彼の似顔絵を描かせたのです!ハックは出会ったその瞬間から始まっていました!」

何言ってんのかわからないという表情でトニー氏をみつめる僕。

カメラが回っているのも忘れて狼狽する僕の肩を掴んで
トニー氏が、レンズに向かって決めポーズ&決め台詞、
「これが、『
Mind Hack』です!」
・・・・・・。
・・・・。
で、その後番組はこのマインドハックの手法を放送上で明らかにするのですが
僕はそれをこの放送を見て始めて知りました。法廷画の説明を聞いている時のトニー氏の手の動き、
仕草のひとつひとつが、僕へのメッセージとなっており、無意識下で友人の絵を描かせた・・とのこと。
なるほど、なるほど・・・。
こうやってTV-SHOWは作られているのか!!なるほど!!と、たいへん勉強になった一日でした。
トニー氏はカメラが回っていない時でもとても気さくで話しやすいナイスガイでした。
さらっとマジック(?)をして場を盛り上げてくれるあたりも、優れたエンターテイナーだなぁと思います。
これから日本での活動を増やしていく予定だと意気込んでいたので、今後の活躍を楽しみにしています。
トニー氏とのヤリトリで語りたいこともいろいろあるのですが、
あんまり番組の裏側的な話をするのも野暮なのでやめておきます。
しかし、
普段法廷の末席で被告人の絵を描いているだけの法廷画家に
まさかこんなカタチでスポットライトが当てられ、超能力者と出会う機会があろうとは。
いつも言ってることですが、人生なにがあるか本当に不可知です。
そんなわけで、「おそらく史上初、『超能力者VS法廷画家』という
最ッ高にわけわかんない対決をしましたよー報告」でした。おしまい。