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「コーヒーもう一杯」


 以前、友人Kくんから「なんか榎本さん見てると「コーヒーもう一杯」思い出すんスよね。」といわれたことがあります。聞くところによるとコミックビームという雑誌で連載されている漫画らしく、近年漫画から遠く離れてしまった僕ですが、その言葉が妙に気になったので書店でそれを立ち読みしてみたのでした。

 作者は山川直人という人で、今時めずらしい一話完結形式の叙情的な物語でした。ゆっくりと流れる暖かい世界観と物語。激しい喜びもなければ大きな悲しみもない。でもどこか切なくなる物語でした。そして舞台にはどこかで必ずコーヒーが登場し、物語の核となりうるわけではなく、傍らにそれがあったり、時に人々を繋ぐ要素であったり、しかしどこか存在感を持って毎回登場します。題名の「コーヒーもう一杯」はぴったりの命題だと思います。

 絵が大変個性的で、好き嫌い分かれてしまうかもしれませんが、僕は好きです。先日本屋さんで単行本が発売されているのを知り、手にとってみました。読み進むにつれ、なんだかとても暖かい気持ちになれました。

 友人Kくんはどうして僕からこの作品を思い出してくれたのでしょうか。それはよく分かりませんが、久しぶりにコーヒーを炒れて飲みたくなる、そんな作品でした。短編集の「口笛小曲集」もおすすめです。

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榎本よしたか

Author:榎本よしたか
フリーランスのイラストレーター兼法廷画家です。書籍やテレビ番組用に絵を描いています。アコースティックギターと歴史雑学が好きです。

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